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パラサイト・クリーチャーズ 感想

題名が圧倒的にわかりやすい寄生生物ホラー映画パラサイト・クリーチャーズを見たよ。(アマプラで)

パラサイト・クリーチャーズ (吹替版)

 

 

 

 

あらすじ

科学者と共にアルプス山脈で気象調査を行っている観測基地の管理人ヤネク。ある日、観測機器故障のため山深くに向かった彼らは、氷河の一角が紅く染まっているのを発見する。しかし変異した氷河の調査を開始した矢先、狂犬病に感染したらしきキツネに愛犬が襲われてしまう。治療のため基地に戻るが、突如彼らに未知の生命体が襲いかかる!(C)Allegro Film ProduktionsGmbH - 2013 

 

 王道展開が故に雰囲気が最悪

まずあらすじやタイトルから想像つくと思うんだけど、大筋は殆ど"遊星からの物体X"と同様。あっちは南極基地、こっちはアルプスの気象観測基地っていう違いはあるけど閉ざされた空間でクリーチャーに襲われる展開になる。物体Xの場合は「敵が誰に成り代わってるかわからない」ことからくる疑心暗鬼が元で登場人物間に不和が発生するんだけど、こっちはもう冒頭から登場人物全てがエゴ丸出しなために不和が生じるよ。

大きく分けて基地チーム4人と議員チーム6人が居るんだけど、その中で状況を整理して適切に判断できる人材が3人くらいしか居ない。

しかも基地チームの科学者連中は揃いも揃って能天気な上、功名心に目が曇りまくってるので、その尽くが無能、そしてクズ。1人残った主人公ヤネクは5年前にパートナーがいなくなったショックから酒に逃避しているというもう最悪のチームだよ。

議員チームも嫌味おばさん、能書きジジイ、ヒステリック記者、スケべったらしいカメラマン、脳筋ボディガード、有能科学者というアンバランス極まる人員配置。

登場人物同士が常になんらかの事情でギスギスしているし、一つ問題が解決したら誰かが問題を発生させるので雰囲気が非常に悪い。

 

クリーチャーの生まれる経緯が皮肉

氷河が溶け出したことで表出した未知の微生物によって一連のクリーチャーが生み出されるんだけど、これが絶妙に意味不明な造形で気持ち悪い(褒め言葉)。かいつまんで説明すると手近にある遺伝子でしらみ潰し的にキメラを生み出す微生物だ。宿主の体内で宿主や食べた物、元の宿主の遺伝子を元にクリーチャーが発育する。

それとは別に劇中でヒロイン(議員チームの有能科学者)が実はヤネクの元パートナーで、彼の子を妊娠したが中絶していたことが明かされる。

腹の中から生まれる未知の怪物と愛した男の子供を堕ろしていたヒロインが対比になってるのか、よくわかんないけどなかなか皮肉が効いていると思う。

これらが絡み合ってのエンディングなのでなるほどと思わせられた。

 

どうしていいのかわからないエンディング

これは悪い意味じゃなくていい意味で「ヒャ〜…どうしようもない……」ってなっちゃうエンディングだった。微生物が存在する赤い氷河はアルプス全域にあるようだし、環境の変化で氷河はまだまだ溶け続ける。たぶん人類に残されてるのは滅びの道なんだろうな、というのが血のように赤い氷河から想起された。そういう意味では環境意識を高める映画という面もあったんだろうね。

でももしかしたら最後に生まれた者が希望になってくれるのかもしれない。後味は良くもあり悪くもある不思議な感じだった。

 

これを見るなら一緒に遊星からの物体Xを見るのもオススメだね