イコライザー ネタバレ感想
セガール、ステイサム、ブルース・ウィリスもやってた「ナメてたオッサンが実はヤバかった」系映画、イコライザーを見ました。
実は全く情報を仕入れずに見たわけじゃ無く、アーノルズはせがわさんのツイートで少しばかりあらすじは知ってました。
イコライザー2が公開中なので前作であり傑作アクション「イコライザー」のあらすじ漫画を描きました。今ならhuluで見れるよ! pic.twitter.com/zMwVoZEGM3
— アーノルズはせがわ (@ringooooooooooz) October 6, 2018
あらすじ
ヤバイオッサン映画×アクションホラーの化学反応
冒頭語ったように「ナメてたオッサンがヤバかった」映画というのはこれまでもいくつも作られてきてるし、一定の需要があるんだよね。暴力的意味でも権力(立場)的意味でも圧倒的優位に立ってるはず悪役が、冴えないオッサンに次々にやられていくというのはもう完全にカタルシスの解放で映画の文法として完成しちゃってるんだけど、このイコライザーはソレにプレデターとかエイリアンみたいなアクションホラー的要素が掛け合わされてる。
具体的に言うとマッコールっていうおじさんは相手を殺すときになんのためらいも見せない。最短距離を最短時間で最少の手段で敵を殺してしまう。その様は殆ど完全無欠の殺人マシーンで絶対コミュニケーションなんて取れない存在だと感じてしまう。この映画では主役であるはずのマッコールがプレデターであり、エイリアンなのだ。(実際セルフ治療シーンは焼き鏝で傷口を焼いたり、熱々に熱した蜂蜜で消毒したり完全にプレデター)
前半は「うわーこいつら許せないな、外道だな」って思ってた悪役のロシアンマフィアも最終的には同情を禁じ得ないし、マッコールには恐怖を覚える。
マッコールおじさんの魅力
デンゼル・ワシントンの映画は僕はそんなに見たことない(デジャヴとザ・ウォーカーくらい)。だけどこの映画では彼が演じるマッコールおじさんの複雑な内面が伝わってきた。
マッコールはマフィアや強盗には一切容赦なく力でねじ伏せて問題を解決するんだけど、汚職警官にはガスで苦しめたり動画で脅したりする一方で執拗に「正義を為せ」「今こそ変わる時だ」といったような事を言って自発的な再起を促す。ヒロインの女性(多分違法な夜の仕事をしてる)にも同じ様なセリフで勇気づける。
あらすじでは眠っていた正義感が−−とあるけど多分マッコールは常に正義の人で、今まではソレを出す必要がなかったんだろう。彼にとってはスーパー殺人テクニックなんて使わない方がいいし、普通の人が何事もなく人生を平穏に過ごしてくれることが一番いい事なんじゃないかな。
でも残念なことにマッコールおじさんが他人を助けるために一番効果的に使えるスキルがCIA仕込みの諜報、戦闘技術なんだよね。多分CIAを抜けたのもそこでやってる事が果たして正しいことなのか。自分の正義に則ったことなのかっていうのに疑問を持ってしまったからだと思う。
彼がアクションをどんどんこなしても雰囲気を煽ったり、気持ちが高ぶるような演出やBGMは無くて、むしろそれが彼の心情を表しているようで、ただただ物凄く哀愁を感じてしまった。
あれも武器、これも武器
それはそれとしてマッコールのアクションはすごい。すごい地味だ。超効率的に黙々と敵を殺すので絵的に派手なところは一切ない。
ただその計算され尽くしたミニマルな殺人術がハマる人にはめちゃハマると思う。セガールのアクションが好きな人は多分漏れなく好きになる。序盤のロシアンマフィアの事務所にカチコミに行った時の動きもすごいんだけど、一番の見せ場は終盤のホームセンターに敵が乗り込んできた時だ。
アメリカのホームセンターって信じられないくらい広いんだね!知らなかった。そりゃゾンビが出たらソコに逃げ込むよ。だって素人目に見ても武器になるものがいっぱいあるもん。だから「えっそれも?」という物も店員としても工作員としてもプロのマッコールの手にかかると悪夢のように兵器化していって面白いぞ。あと銃で撃たれた痛みとかは想像しづらいけど「釘踏んじゃった」とか「工具で怪我しちゃった」みたいな痛みはメチャ想像つくから画面から伝わる痛みリアリティみたいなのが桁違いだよね。
是非続編も見たいと思ったよ。